Affiliation:
1. 横浜市立みなと赤十字病院救命救急センター(現在,杉木馨は東京女子医科大学先端生命医学研究所代用臓器学,甲斐貴之は愛知医科大学血管外科,唐津進輔は越谷市立病院救急科に所属している。)(Department of Emergency and Critical Care Medicine, Yokohama City Minato Red Cross Hospital)
Abstract
要旨 メトホルミン関連乳酸アシドーシスは致死率の高い病態であり,乳酸と薬物クリアランスの高い間欠的腎代替療法が治療の第一選択とされる。血行動態の不安定な場合には持続的腎代替療法(continuous renal replacement therapy: CRRT)が選択肢とされるが,両者の中間的位置づけの緩徐低効率血液透析(sustained low efficiency dialysis: SLED)の有効性は不明である。CRRTが奏功せずSLEDへの変更が有効と考えられた重篤なメトホルミン関連乳酸アシドーシスの1例を報告する。38歳の女性,メトホルミン27.5gを過量服用後に救急搬送され,入院後にpH 6.83,乳酸24.0mmol/L,血圧85/50mmHgと高度な乳酸アシドーシスとショックを呈した。アドレナリンを含む高用量の循環作動薬投与下のためCRRTを選択したが,8時間経過後も乳酸やpHの改善に乏しいためSLEDへの変更を試みた。CRRT中の乳酸とpHの平均変化率は−0.12mmol/L/hr,0.002/hrであったのに対し,SLED中は一時的に循環作動薬の増量を要したものの,−0.85mmol/L/hr,0.05/hrと著明に改善した。重篤なショックを伴うメトホルミン関連乳酸アシドーシスには,一時的に循環補助の強化を要したとしてもSLEDが治療の選択肢となりうる。
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