椎骨動脈狭窄による小脳梗塞によって浮動性めまいと一過性に視界の上下逆転を来した1例(Dizziness and reversal of vision metamorphopsia due to cerebellum infarction caused by a vertebral artery stenosis: a case report)

Author:

幹太 勝木1,駿 田中1,大賀 松本1,光 若林2,智之 木野2,拓 舩越1

Affiliation:

1. 東京ベイ・浦安市川医療センター救急集中治療科(Department of Emergency and Critical Care Medicine, Tokyobay Urayasu Ichikawa Medical Center)

2. 東京ベイ・浦安市川医療センター脳神経外科(Department of Neurosurgery, Tokyobay Urayasu Ichikawa Medical Center)

Abstract

要旨 椎骨動脈狭窄による小脳梗塞によって一過性に視界が上下逆転する現象(reversal of vision metamorphopsia: RVM)を呈した症例を経験した。症例は狭心症,高血圧,糖尿病の既往がある71歳の男性で,浮動性めまいを主訴に救急搬送された。受診2日前と受診前日に突然誘因なく浮動性めまいが出現したが,それぞれ1時間の安静で改善した。受診当日も同様の症状が再燃し悪心も伴うため発症1時間後に救急要請した。来院時のバイタルサインは安定していた。めまいや嘔気の症状が強く可能な範囲での診察では,明らかな脳神経所見の異常はなく運動麻痺や小脳失調も認めなかったが,診察中に患者が「上下が逆に見える」と訴えた。各種画像検査から椎骨動脈狭窄を伴う急性期小脳梗塞と診断し,加療目的に脳神経外科に入院した。入院後にRVMの再燃はなかった。RVMの機序は明らかでないが,本症例では後下小脳動脈領域の梗塞により,視覚と前庭系の情報を統合する前庭小脳繊維が障害されたことが原因と考えた。またRVMの症状は一過性であることが多いとされるが,後頭葉や頭頂葉,残存した正常小脳などが持つ代償機構と,視覚的錯覚からの回復が複合的に機能しているためと考えた。RVMはとくに急性期診療を担う救急外来で遭遇しうるため救急医にとって有用な訴えとなる。RVMを認めた場合は,積極的に中枢性疾患を疑い画像検査を行うべきである。

Publisher

Wiley

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