可動式気管カニューレ「アジャストフィット」の有用性と有害事象の検討(Efficacy and safety of adjustable tracheal cannula “Adjust Fit”)

Author:

大輔 山田1,宏隆 澤野1,知香子 赤井2,英治 山口1,淳一郎 加藤1,将啓 福田1,裕介 伊藤1

Affiliation:

1. 大阪府済生会千里病院千里救命救急センター(⼭⽥⼤輔は,現在,尼崎中央病院脳神経外科に在籍している。)(Senri Critical Care Medical Center, Osakafu Saiseikai Senri Hospital)

2. 大阪府済生会千里病院看護部救急病棟(Nursing Department Emergency Ward, Osaka Saiseikai Senri Hospital)

Abstract

要旨気管切開後の気管カニューレの選定は極めて重要である。不適切なカニューレの選択は,チューブの脱離や内腔閉塞などの致死的合併症につながりうる。アジャストフィット® (AF)は,いかなる気管切開孔にも適合することを目指して開発された気管カニューレであり,①ウイングを調節することで気管内に挿入するチューブの長さを調節できる,②シリコン製のスパイラルチューブが柔軟に変形し内腔を保つ,という特徴を持つ。しかし,複数の症例を対象に有用性を検討した研究は少なく,適応や合併症についても未だ不明な点が多い。2017~2022年に当院にてAFが使用された13症例について,その有用性と有害事象を後方視的に検討した。導入理由は,気管前面の皮下組織の肥厚:9例,気管の変形・偏位:3例,気管内狭窄:1例,不明:1例であった(1例重複)。有害事象はカニューレの脱離:4例,内腔狭窄:2例,チューブ先端と気管壁の干渉による換気不全:1例であった。高度の肥満症例や,喉頭全摘出後などの気管の偏移を伴う症例において,AFが有用であり,適応の判断については頸部CT検査が有用であった。しかし,AF特有の構造に起因した,チューブの脱離や内腔の狭窄といった重大な合併症も見られた。AFは適応を慎重に検討し,製品の構造上の特徴を理解して管理を行えば,気道管理において有用なデバイスであると考える。

Publisher

Wiley

Reference10 articles.

1. 一般社団法人日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター): 気管切開術後早期の気管切開チューブ逸脱・迷入に係る死亡事例の分析. 医療事故の再発防止に向けた提言 第4号 2018.

2. The impact of obesity on adult tracheostomy complication rate

3. Anthropometric Measurements: Effect of CT Depth of Pretracheal Soft Tissue on Tracheotomy Tube Selection

4. Peri-operative complications during percutaneous tracheostomy in obese patients

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