骨髄異形成症候群の心嚢腔内の急性転化による癌性心タンポナーデの1剖検例(An autopsy case of acute transformation of myelodysplastic syndrome leading to carcinomatous cardiac tamponade)

Author:

稜 上石1,淳司 畠山2,史人 加藤3

Affiliation:

1. 国立病院機構東京医療センター救急科(上石稜は,現在,東京都立病院機構墨東病院に在籍している。)(Department of Emergency and Critical Care Medicine, National Hospital Organization Tokyo Medical Center)

2. 大阪医科薬科大学救急医学教室(Department of Emergency and Critical Care Medicine, Osaka Medical and Pharmaceutical University)

3. 国立国際医療研究センター病院救急科(加藤史人は,現在,札幌医科大学医学部救急医学講座高度救命救急センターに在籍している。)(Department of Emergency Medicine, Center Hospital of the National Center for Global Health and Medicine)

Abstract

要旨 今回我々は,急性発症の病歴で骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes: MDS)の急性転化が心嚢腔内で生じ,心タンポナーデに至った稀な1例を経験したため報告する。症例は80歳の男性。入院7か月前にMDSと診断され,化学療法を施行されていた。受診前日に突然呼吸困難感を自覚し,経過をみていたが改善がなく,受診当日に意識消失し救急要請となった。初療時血圧は保たれているも頻脈性心房細動があり,心臓超音波検査にて心嚢液貯留を認めた。急性大動脈解離を疑い造影CT施行するも解離腔は認めず,血液検査,心電図,心臓超音波検査からは急性心筋梗塞は否定的だった。その後血圧が低下したため,心タンポナーデと判断し心嚢穿刺を実施したところ,800mLの血性心嚢液が引け,血圧が安定化した。集中治療室入室後,末梢血よりも心嚢液で芽球比率が高いことが判明し,心嚢腔内にてMDSが急性転化した可能性が考えられた。骨髄所見では急性転化を疑う所見は認めず,心嚢腔内では染色体異常を伴う細胞を多数認めたことにより心嚢腔内でMDSが急性転化したと診断した。入院中に再度心タンポナーデを発症し,多臓器不全が進行し第15病日に死亡退院となった。剖検では心外膜全周性に骨髄肉腫と考えられる腫瘍性病変が広がっていた。急性発症の病歴で血性心嚢液貯留を認めた場合,MDSの急性転化も念頭に置く必要がある。

Publisher

Wiley

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