1. 1)本研究においては、科学教育、理科教育、理科カリキュラムの三つの用語を意識的に使い分けている。「科学教育」は、科学に関する教育全般を指すような幅広い意味で用いる。したがって、その範囲は、日本に限らず世界的な視野に立ったものであり、また、時期的にも初等・中等教育段階に限定しているわけではない。「理科教育」は、日本での初等・中等教育における科学教育を指す。「科学カリキュラム」は科学教育のための教育課程を意味し、「理科カリキュラム」は、日本の初等・中等教育(本論文では中等教育段階が中心となる)における科学教育を担っている教科としての理科の教育課程を指す。
2. 2)M. Gibbons & P. Gummett :「"科学一技術一社会”への招待」、M.Gibbons & P. Gummett(Eds.)(里深文彦監訳)『科学・技術・社会を見る眼』現代書館(1987)
3. 3)村上陽一郎:『動的世界像としての科学』新曜社(1980)
4. 4)B. Barnes(川出由己訳) :『社会現象としての科学』吉岡書店(1989)
5. 5)T.Kuhn(中山茂訳) :『科学革命の構造』みすず書房(1970)