Affiliation:
1. 国立病院機構 横浜医療センター救急科(Department of Critical Care Emergency, National Hospital Organization Yokohama Medical Center)
Abstract
要旨反射性てんかんとは,特定の刺激によりてんかん発作を生じる疾患であり,そのなかの一つに食事を摂取することで生じる摂食てんかんがある。本症例の患者は40歳代の男性,夕食摂取後に痙攣発作が認められたため救急要請された。以前にも同様の主訴で救急搬送された経緯があった。詳細な病歴聴取の結果,いずれもナッツ類を摂取した後の発症であり,ナッツ類を摂取したことによる摂食てんかんの診断となった。摂食てんかんは報告数が少ない稀な疾患であり,ナッツ類を契機としたものは調べた範囲では報告がなかった。発生機序の詳細は不明であるが現時点で側頭葉辺縁領域や辺縁外領域の関与が考えられている。検査所見に特異的なものはなく,鑑別疾患が主な診断方法となる。鑑別すべき疾患としてはアナフィラキシーと症候性痙攣が挙げられ,診断にはそれぞれの疾患の特徴を理解し,患者からの過去の痙攣の既往,直前に摂取した食事の内容,以前にその食事を摂取したときに痙攣や意識障害を発症したかどうか,アレルギー歴などの詳細な病歴聴取が重要である。
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