抄録
胃癌などの上部消化管疾患とH. pylori感染との関連については明らかであり,H. pylori感染の有無を内視鏡所見から診断することは重要である.「胃炎の京都分類」はH. pylori感染動態と内視鏡所見との関連を包括した分類であり,未感染者の特徴的な内視鏡所見としてRAC,胃底腺ポリープなど,現感染者の所見として,びまん性発赤や萎縮,腸上皮化生,皺襞腫大,鳥肌など,既感染者の所見として,斑状・地図状発赤などが挙げられる.内視鏡専門医のみならずプライマリケアなどで内視鏡に従事する医師にも感染診断の補助となるように作成されており,臨床現場での活用が今後期待されている.